エジプト考古学博物館           

エジプト考古学博物館で、必見の遺跡を紹介します。
なお、エジプト
考古学博物館では2009年9月現在、館内での写真撮影が禁止されているため、
屋内のコーナー部分は、
Osiris Express
さんより 画像をお借りしてきました。

(屋外)
   スネフェル王のステラです。
(考古学博物館の入り口、左手に展示されています。
 屋外に展示されているので、考古学博物館の観光前OR後に忘れずに見てください。)
※2009年9月現在、スネフェル王のステラは補修中(?)のため、シートがかぶせてありました。
 ちょっと見にくいですが、見ることは可能です。


発見場所:屈折ピラミッドの礼拝堂

注目すべき点:
エジプトの王には5種類の名前(※)がありましたが、この石碑では
ホルス神のとまるセレク(王宮の形をした王名を記載する枠)の中に、
スネフェル王の2つの名前とともに二女神名、上下エジプト名、
黄金のホルス名が見られます。
このことからスネフェル王の時代には、二女神名、上下エジプト名、
黄金のホルス名という3つの称号は、ホルス名の一部として扱われて
いたことがわかります。
とりあえず、写真に解説を書いてみました(
ココ)。

(※)
ホルス名・上下エジプト名(即位名)・サーラー名(誕生名)・二女神名・
黄金のホルス名

   

イクナトンの石棺 (考古学博物館入り口から、建物に沿って左にまわったところにあります)
    
     ここら辺には、観光客はほとんどいません。。
     石棺の中にもタバコなどのごみがたまっていたりします。。。
  
        左:イクナトンのサーラー名
        右:ネフェルティティの名前  
 


右:前期アテン名が書かれています。 


ここにも、前期アテン名発見!!

 

石棺の4角には、通常イシス・ネフティス・ネイト・セルケトといった4女神が配置されているのですが、この石棺はネフェルティティが4角に配置されています。

 
         
 

 
 


よくよく見てみると、後期アテン名
書かれています。
 

 

 

←←←
ココにも、イクナトン、ネフェルティティの
名前とともに、
後期アテン名が書かれて
います!
 
     

(屋内)
多くの見所(有名なもの??)は、たいていのガイドブックに書いてあるので、ここでは特にお勧めの展示物を紹介したいと思います。
部屋
 番号
展示物 

注目すべき点  

1F
3号室
所有者不明の棺 王家の谷KV55号から発見された発見された棺です。ミイラ、棺ともに誰のものであるのかについて、謎とされています(ちなみに2008年年末のTVで、ザヒ・ハワス博士はKV55号はイクナトンの墓と言っていました。この墓からはイクナトンの呪術レンガも発見されているようですし、やはり、イクナトンが埋葬されていたのでしょうか?)。
 注目すべき点は、以下のとおりです。
@KV55で発見されたミイラ(男性)は女性の埋葬方法で埋葬されたいた。
Aこの棺のカルトゥーシュが削られている。
Bこの棺はそもそも、イクナトンの側室キヤのものであり、キヤの棺を流用していると考えられている。

古代において、名前を消すということは、被埋葬者が再生復活できなくなってしまうと考えられていたわけで、被埋葬者に再生復活してもらいたくないと考えていたということでしょう。
しかも、男性を女性の埋葬方法で埋葬するなんて。。。謎です。。
棺の顔の部分も片目を残して壊されているし、名前も消されているしで、私的には考古学博物館の展示物の中で一番謎&怖い展示物です。  
1F
10号室
子供のラムセス2世像 子供のラムセス2世をホルス神が守護しているという像。
(上記1F3号室を出たら左に進むと突き当たります)
注目すべき点は、子供のラムセスで、「ラムセス」という字を作っていることです。

つまり子供のラムセスは頭に太陽円盤「ラー」を冠しており、また、同時にアシ(水草)をかたどった物(ヒエログリフで「スゥ」)を持っています。子供は古代エジプト語で「メス」と言うので、「ラー」+「メス」+「スゥ」=「ラムセス」です。


Osiris Express

1F
13号室
イスラエルステラ メルエンプタハ王の戦勝碑(海の民の侵略を防いだことを記念してつくられた)です。
このステラには海の民との戦いにおいて王が打ち破った敵の名前が書いてあり、その中に「イスラエル」の文字登場することです(王が打ち破ったとして記載されている敵の名前は、実際に戦った相手以外も含められており、この「イスラエル」という民族の名前も、王の権力の誇張のために実際には戦った事実はないにもかかわらず、ステラに含められたものです)。
「イスラエル」という民族名の登場は、このステラが最初なので、このステラが有名なのです。
 ちなみに、肝心の「イスラエル」の文字ですが、たくさんのガイドさんが触っているため、ちょこっと照かっています。ステラの下の方を探してみてください。色の変わっている部分が「イスラエル」の部分です。
 このステラはアメンヘテプ3世のものを流用したため、裏面を見てみると、アメンヘテプ3世の名前を見ることができます。また、アメンヘテプ3世の名前以外に、セティ1世の名前も刻まれています。セティ1世もアメンヘテプ3世のステラを流用したのでしょうか? 
2F
27、37号室
中王国時代の墓からの出土品  ●兵士の模型(2F37号室)
40人ずつのエジプト&ヌビアの兵士の模型が展示されています。
注目すべき点は以下の2点。
@エジプト人とヌビア人の肌の色。エジプト人は茶色、ヌビア人は黒で表されています。
Aエジプト人とヌビア人の持っている武器の種類。エジプト人は槍を持っている一方で、弓戦が得意だったヌビア人は弓&矢を持っています。
 ●漁の模型(2F27号室)
2そうの船(パピルスで作られた船)が引き網漁している場面。船の上にいる人たちもリアルですが、網にかかった魚もいろいろな種類が表現されていておもしろいです。

その他にも、古代の人々の生活がわかる遺跡(ビール作りをしている模型や、家畜の数をカウントしている模型)などがあり、かなり楽しい展示コーナーだと思います。


Osiris Express

  2F
 ツタンカーメン
  展示物 
たくさん展示されています。黄金いっぱいです。有名なものも多いです。多すぎて、どこを見ていいのか分からなくなってしまいます。

そこで展示物を見る際の一つの見方として、「アマルナ時代」の名残りを探すという見方はいかがでしょうか?
たとえば、有名な黄金の玉座には、アテンちゃん(アテン神)が描かれています。またツタンカーメンの名前も改名前のもの(ツタンカーテン)も書かれています(詳しくは
ココ)。
さらにツタンカーメンの墓からの出土品には、イクナトンやネフェル・ネフェルウ・アテンの名前が刻まれているものがあります。展示品をよく見ると、ツタンカーメン以外のファラオの名前が発見できて、更に楽しむことができます(お気に入りの遺物は
ココ)。


Osiris Express

このページを作成するにあたり主として「カイロ・エジプト博物館 ルクソール博物館への招待」を参考にさせていただきました。 
 

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